ふと、カール・ブッセの『山のあなた』を思い出した。
山のあなたの空遠く 幸い住むと人のいふ
ああ、われひとと尋(と)めゆきて 涙さしぐみ帰りきぬ
山のあなたになほ遠く 幸い住むと人のいふ
人は誰でも、いつも「幸せになりたい」と願っている。
では、「幸せ」っていったい何だろう。お金があれば幸わせだと思う人もいれば、素敵なマンションに住めれば幸わせだと思う人もいる。また、好きな人と結婚すれば幸わせだと思う人もいれば、出世をすれば幸福わせだと思う人もいる。正に十人十色、人それぞれの「幸わせ感」が違うのである。
また、想いが叶えばそれで幸わせかと言えば、必ずしもそうでもない。お金が有りすぎて、肉親間で醜い相続争いをしている話もよく耳にするし、相思相愛だった二人が突然離婚したなどの話は枚挙にいとまがない。
また、お金がなくても幸わせに暮らしている家族もいれば、ボランティア活動をしながら充実した幸せな日々を送っている人も大勢いる。要は「これが幸わせである」という定義など無いのである。
強いて言えば、「幸せとは人それぞれの心の持ちよう」ではないだろうか。