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2008年07月 アーカイブ

2008年07月27日

伸一ちゃんの三輪車

今年もまた、暑い夏が巡ってきました。63年前のあの日(8月6日)も暑い日だったと言います。午前8時15分、広島に原子爆弾が投下され、一瞬にしてたくさんの「命」と「家族」と「平和」を奪い去りました。
私は、これまでに何度か広島平和記念資料館を訪れたことがあります。そこには、たくさんの被爆の事実を物語る資料が展示されていますが、その中に1台の黒く錆び付いた三輪車が展示されています。「伸一ちゃんの三輪車」です。
鉄谷伸一ちゃんは三輪車が大好きでした。あの日の朝も、伸一ちゃんは爆心地から1.5キロメートル離れた東白島町の自宅前で、三輪車に乗って遊んでいました。その時です。ピカッと光り、一瞬にして伸一ちゃんと三輪車は焼かれてしまいました。
お父さんは、たった三歳の子を一人でお墓に入れても寂しがるだろうと思いました。そこで、死んでからでも遊べるようにと、伸一ちゃんの亡骸とこの三輪車を一緒に、そのまま自宅の裏庭に埋めたのです。
そして、40年が過ぎました。1985年(昭和60年)の夏、お父さんは伸一ちゃんの遺骨を掘り出してお墓に納めました。そして、伸一ちゃんの遊び相手だったこの三輪車を広島平和記念資料館に寄贈したのです。
私は、広島平和記念資料館の展示物を見る度に、原爆の怖さ、人と人が争うことの愚かさ、平和のありがたさ、平和の大切さをつくづく感じます
今もあの世で、信一ちゃんは世界中に戦争が無くなることを祈りながら、きっと大好きな三輪車に乗って遊んでいることでしょう。

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